1mmノズルでPETGをきれいに印刷したい。
でも、条件が出ない・・・ということが続いているので実験計画法を使って調節してみます。・・・のパート2です。
アプローチの紹介
今回は条件を探るために、エクセルでプリンタ設定と各不具合の関係式を作ります。その式でシミュレータし、不具合が最小になる設定条件を求めて印刷してみます。
結果➡失敗!
最終的にまったく満足いってません。なんなら前回より悪化しています。太ノズルは難しいですね。
いい経験になったので、記録としてまとめおきます。
手順
- プリンタ設定項目の選定、不具合の数値化、直行表の用意
- 実験(25回印刷)
- 実験結果の整理
- 多量変数解析にて、プリンタの設定項目と各不良要因の関係を方程式化
- 各不良が最小になるような、プリンタの設定項目の値をソルバーにて計算
プリンタ設定項目の選定、不具合の数値化、直行表の用意
■計測場所・方法
すべてテキトウに数えています。
①糸引きの本数(本):糸の中間地点を目視で、数える
②泡立ちの距離(mm):レイヤーのスタート地点から、線が均一になるまで
③泡立ち(穴)の距離(mm):穴の開いた最長距離
④つなぎ目(mm):ノギスで測った2か所の④の距離、その距離の平均
⑤でっぱり(mm):ノギスで測った距離
(ノギスで距離を測るときは樹脂の膨らみを軽くつぶす)
■プリンタの設定項目
前回の経験から以下の設定値を対象にしました。CURAの設定項目になっています。
■直行表
5水準のL25の直行表を用意しました。関西品質工学研究会より引用し、エクセルに転記して使っています。
5水準系直交表 5 Levels Orthogonal Array - 関西品質工学研究会
各変数への割り当て表
この割り当ても、さんざん悩みました。実験を積み重ねれば、本来ノウハウになる部分かと思います。今回はほぼ比例としています。
実験(25回印刷)
Curaで割り当てた条件で印刷をしました、何回も・・・。
設定の切り替えが、マウス操作になるのためヒューマンエラーが発生しやすくなります。このため、余計な設定項目を非表示にして切り替えを簡単にしています。Curaでは”Custom Selection”の調節をして、必要な設定項目のみを抽出できます。
上図では、設定項目が選定されているのがわかります。
印刷が終わったら、①~⑤の項目を計測します。
実験結果の整理
①~⑤をまとめると、次のようになりました。
この値を利用して、多量変数解析にて、プリンタの設定項目と各不良要因の関係を方程式化します。2乗項を考慮して以下のリストにしました。
以下のサイトを参考にして、一度解析をかけた後、P値を利用して再計算しました。
自由度調整済み決定係数とは?意味や解釈、活用法を解説!|いちばんやさしい、医療統計
解析の結果を並べてみます。
①糸引きの本数(本):糸の中間地点を目視で、数える
②泡立ちの距離(mm):レイヤーのスタート地点から、線が均一になるまで
③泡立ち(穴)の距離(mm):穴の開いた最長距離
④つなぎ目(mm):ノギスで測った2か所の④の距離、その距離の平均
⑤でっぱり(mm):ノギスで測った距離
これらの係数を使って、各設定値から各不具合のシミュレーション計算を行います。
各設定値と累乗の項目を用意します。
先ほどの解析結果の各係数(a,a^2,b……)と設定したい値を掛け合わせて不具合をシミュレーション・・・。
各不良が最小になるような、プリンタの設定項目の値をソルバーにて計算
各シミュレーションの値が目標値になったときに最小となるよう評価値を用意しました。各不具合で優先するためのウェイトを評価値と掛けて和を求めます。この和が最小になるようにソルバーを計算させました。
3Dプリンタで印刷した結果はページの上のほうの結果です・・・。シミュレーションした通りの印刷結果にはなりませんでしたし、その原因も明確にわかっていないです。